「住めば都」という言葉があります。でも、その都を築くために、私はどれほどの「余計な代償」を払ってしまったのでしょうか。
10年前、地方移住を決めた私の心の中は、希望と同じくらい、得体の知れない「ビビり(不安)」でいっぱいでした。 「冬の寒さに耐えられるのか?」「近所付き合いは大丈夫か?」「不便すぎて後悔しないか?」 そんな不安をかき消すために、私は「お金で安心を買う」という、今思えばもっとも効率の悪い選択をしてしまいました。
今回は、そんな私の「ビビりな損得勘定」が招いた失敗と、今だからわかる「本当の安心の作り方」についてお話しします。
「仕事は変えたくない」という、ビビりな私の大前提

移住といえば「脱サラ」や「起業」を連想する方も多いかもしれませんが、私は違いました。 私は根っからの「ビビり」です。生活の基盤である仕事を捨てる勇気はありませんでした。
「職場まで車で30分圏内。給与もキャリアも今のまま。でも、生活空間だけを劇的に変えたい」
そんな、いいとこ取りのわがままな条件が、私の移住の絶対条件でした。
「そこそこ」個人としてのメリット・デメリット対比
移住を検討する際、私は自分なりにメリットとデメリットを天秤にかけました。一般論ではない、当時の私の本音です。
| メリット(得たかったもの) | デメリット(不安だったこと) |
|---|---|
| 仕事を変えずに済む: 車で30分。生活のリズムを壊さない。 | 物件・土地が絶望的に少ない: そもそも家を建てる場所が見つからない。 |
| 人間関係の継続: 友人や同僚と離れすぎず、孤独にならない。 | 地域の空気が見えない: 外からでは「本当の居心地」が分からない。 |
| 静寂の確保: 隣人の生活音が届かない、圧倒的なプライベート空間。 | 溶け込めるか不安: 異分子として村八分にされないか、ビビりゆえの恐怖。 |
地域の空気が見えない不安や、村八分にされないかという恐怖。ビビリな私にとって、これらは笑い事ではない死活問題でした。
当時の私は「失敗したくない」という一心で、目に見える安心を求めて新築・新車という選択肢に飛びついてしまいました。
しかし、その「安心料」が後に家計を圧迫することになります。ビビリな私が陥った金銭的なワナについては、「新築・新車で貯金ゼロ?後悔しない家計術」で詳しくお話ししています。

土地がない!「田舎=家が余っている」の誤算

「地方ならどこでも家が建てられる」というのは大きな間違いでした。 新築を希望していた私にとって、最初の壁は土地が見つからないこと。
郊外よりさらに田舎に行くと、そもそも建物を建てられないことや、土地がないことに気がつきました。
条件に合う利便性の高い土地はなかなか市場に出ず、「場所選びで失敗したら、人生が詰む……」という恐怖が常に隣り合わせでした。「新築用の土地」にこだわったことで、私の選択肢は極端に狭まっていました。
今の私なら、土地代を浮かせて資産を守るために、中古住宅×減築という第3の選択肢も真剣に検討したはずです。

私を救った「インサイダー情報」

そんな私の背中を押してくれたのは、幸運にもその地域にすでに住んでいた「友人」の存在でした。
ネットの不動産情報では絶対に分からない、「あそこの地区は付き合いが楽だよ」「あの地区は移住者が結構いるよ」という生の声。
この情報があったからこそ、ビビりな私は「あまり深く考えすぎないようにしよう!」と自分に言い聞かせ、最後は勢いで判を押すことができたのです。
結び:小心者だからこそ、選べる道がある

結局、私は「失敗したらまずい」という不安を抱えたまま、最後はエイヤーで飛び込みました。
でも、それで良かったのだと今は思います。
仕事を変えず、人間関係を維持したまま、住環境だけを変える。そんな「そこそこ」なリスク管理こそが、私のようなビビりが新しい一歩を踏み出すための、唯一の正解だったのかもしれません。
結局、私は「失敗の怖さ」を抱えたまま飛び込みましたが、その後の10年で「本当の安心」は高い買い物ではなく、正しい知識で作れることを学びました。
ビビリな私が「5,000万円の自由」を目指して引いた航海図は、こちらの「地方移住ロードマップ」にまとめています。石橋を叩いているあなたの、次の一歩の参考になれば幸いです。

今のあなたに必要なのは、攻めですか?守りですか?それとも暮らしの知恵ですか?



